NO.10 平成13年8月30日号 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 〃       ◇ 農 村 ノ ス ス メ ◇        〃 〃                〜電気農場の日常より 〃 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃  どーも、ご機嫌いかが?よーすけどんです。生まれも育ちも山 形県新庄市。生粋の農村生活者であるワタクシが、農家の日常、 悪戦苦闘の有機農業の実態、その他農村生活の真実をリアルにお 伝えしていきます。            *  *  *  みなさんこんにちは。もう8月も終わりですねえ。  今年の夏は穂が出る時期に涼しい日が続いたので稲の生育が ちょっと心配でしたが、後半になって暑い日が続いたので、豊作 とまではいかなくても、そこそこの収穫がえられるんじゃないで しょうか。  そんなわけでいろいろ仕事はあったものの、けっこうの〜んび りと過ごした夏の日々でした。  で、夏休みボケってわけでもないんですが、今回はざっくばら んに書いてみようと思います。            *  *  *  8月にもなるともうジタバタしても始まりません。仕事もどち らかといえば来年に向けての準備が主になります。  古くなって崩れかけたビニールハウスを解体したり、苗床に使 う山土を準備したりってな具合です。  差し迫った仕事ってわけじゃないんで気が張りません。サボり 虫がうずき出して、なんだかぐーたら、ぐーたら仕事してます。 暑いしね。  朝だって七時近くまで寝ています。昼も三時頃まで(大汗かき ながら)昼寝しています。  いいじゃないですか、こんなのんびりした毎日も。            *  *  *  何冊か好きな本を読み返しました。 『ポラーノの広場/宮沢賢治』  二冊ほど文庫本持ってるんですけど、本屋で渋い装丁の絵本を 見つけて、思わず買ってしまいました。〈パロル舎〉ってとこで 出してるやつです。  この作品はですねえ、初夏から初秋にかけての季節の描写が とっても好きなんです。とくに原っぱの描写なんかは何度読んで も泣きたくなるほどすばらしいですね。 『モモ/ミヒャエル・エンデ』  エンデ関連の本を読んだら、もう一度読んでみたくなり、読み 返しました。  エンデの作品ってなんか怖いですね。読んでてとっても疲れま した。子供はそんなこと感じないのかもしれないけど。 『火星年代記/レイ・ブラッドベリ』  ブラッドベリの作品の中でもとくに好きな一冊です。  この作品、私の中では夏っぽいというか、夏の終わりってイ メージがあります。なんとなくもの悲しい雰囲気が漂ってますよ ね。  ちょうど今頃この小説を読んでいると、ほんとにさみしくなっ てきます。  あ〜、今年の夏も終わるのか(しみじみ)ってね。            *  *  *  家の村は開拓村で、稲作と酪農が中心です。  もうちょっとするとサイロに詰めるデントコーン(飼料用トウ モロコシ)の刈り取りが始まります。  今でこそ機械でパッ、パッ、パッと刈り取りますが、10年く らい前は全部手刈りでした。  人手がいるってことで、時期になると知り合いの家の手伝いに かり出されます。  2m以上あるデントコーンを鎌で根本から刈り倒して、トラク ターの牽引する荷台に山積みにして、サイロのある小屋まで持っ ていき、裁断機に少しずつ入れてやって、細かくなったのをサイ ロの中に詰め込むんです。  刈り取ったデントコーンを荷台に積むのがいちばんの重労働で す。重い上に葉っぱの縁が鋭くて服の上からも肌を傷つけます。  夜お風呂にはいると顔や腕がひりひりします。  おやつは旬を過ぎたスイカです。枯れた葉っぱの間にゴロゴロ と転がってるやつを穫ってきて、むしゃぶりつきます。季節も終 わりですからあんまりまともなもんじゃないんですが、汗をかい たあとにはうれしい水分補給です。  一軒の家で二日から三日かかる仕事です。仕事が全部終わると ご苦労ぶりってことで、一杯ごちそうになれます。あのころはい い時代でしたね。仕事はきつかったけど、バイト代もらった上に たらふくごちそう食わせてもらって酒盛りですから。  多い年は四軒ぐらいに手伝い行ったことがありました。そのた んびにごちそう三昧。酒三昧。たのし〜。  今ではもう全部機械がやってます。初秋のスイカももの悲しい ばかり。            *  *  *  さて、稲のほうももうすぐ刈り取りの季節。  穂は頭を垂れ、早生の品種は葉っぱも黄色くなりかけてます。  今年も良いお米が穫れますように。                       〜よーすけどん             http://www.ic-net.or.jp/home/yo-w/