NO.32 平成15年5月8日号 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 〃       ◇ 農 村 ノ ス ス メ ◇        〃 〃                〜電気農場の日常より 〃 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃  どーも、ご機嫌いかが?よーすけどんです。生まれも育ちも山 形県新庄市。生粋の農村生活者であるワタクシが、農家の日常、 悪戦苦闘の有機農業の実態、その他農村生活の真実をリアルにお 伝えしていきます。            *  *  *  突然ですが、今回は遺伝子組み換え特別号です。    ※もくじ※ 【1】経緯 【2】シュマイザーさん 【3】実行委員会 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【1】経緯  昨年は愛知県農試とモンサント社が開発を行っていた遺伝子組 み換えイネ「祭り晴れ」が開発中止となり、やれやれと思ってい たら今度は遺伝子組み換え大豆が全国20ヶ所で栽培されるとい う。進めているのはモンサント社と日本の『バイオ作物懇話会』 という団体。  これに対して、遺伝子組み換え作物作付け反対の集会が全国8 ヶ所で開催予定。東北では7月7日、私の住む新庄市で開催され る予定。新庄は「大豆畑トラスト」の発祥地ということで選ばれ たようです。  そんなわけで、第一回の実行委員会というか準備会みたいなも のに参加してきました。 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【2】シュマイザーさん  今回のイベントにはカナダの農家パーシー・シュマイザーさん が来日し講演をする予定です。  シュマイザーさんは70歳を越え今もカナダでナタネ、小麦な どを栽培する農家です。  栽培するだけではなく半世紀にわたって種を採り、その土地に あった品種を育種してきた方です。  それがあるとき、突然モンサント社から特許侵害で裁判を起こ されました。  自分の畑で採種したナタネが、どこからか飛んできた遺伝子組 み換えナタネの花粉と自然交配し、その種を蒔き、育てたことが 特許侵害だというわけです。  一審、控訴審ともにモンサント社の言い分が通り敗訴、現在は 最高裁で係争中だそうです。  遺伝子汚染を受けた側が特許料を支払わなくてはならない!!  ぞっとします。いったん作付けされてしまえば、その植物の営 みを人間がコントロールすることは出来ません。自然に遺伝子汚 染が進めば、農家にも、消費者にも選択の余地はなくなります。  世の中、いろんな考え方があるのは当然ですが、この遺伝子組 み換え植物は、その自由を否応なく奪ってしまいます。  「隣の人は栽培するけど、自分は栽培しない」といった選択は 出来ません。  YESか、NOか、どちらかを明確に選択しなければならないのです。 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【3】実行委員会  現在の日本に置いての遺伝子組み換え作物の現状の報告から始 まりました。 ○遺伝子組み換えイネ『祭り晴』は開発中止 ○日本たばこ産業は撤退し、医療分野での活用に移行する模様 ○モンサント社とバイオ作物懇話会は2001年に10ヶ所、2 002年に6ヶ所で遺伝子組み換え大豆を栽培。2003年は 20ヶ所で栽培の予定。 ○モンサント社はイネの作付けは反対が強く無理ということで、 大豆、小麦に力を入れる。 ○全農、岩手農試による鉄分増強イネの開発が続いている。等々  遺伝子組み換え作物に反対する生協や消費者が中心となった反 対集会ですが、新庄での集会は生産者の問題として、農家が中心 となって行いたいとのことでした。  そんなわけで今回集まったのも山形県内の生産者団体の面々。  せっかくそういった遺伝子組み換え農産物の実害を受けた農家 が来日するのだから、その実態をいろんな人に知ってもらいたい。 また、地元の人間としては一緒に農業をやっている人たちにその 話を聞いてもらいたいとも思ったんですが、今回の集会は「遺伝 子組み換え農産物に NO」を明確に打つ出す集会として、そういっ た取り組みをしている人たちのための集会になる模様。チョット 残念。  今後のなにか情報が入ればHPの方でお伝えしていきたいと思 います。  http://www5.tok2.com/home/yo2/yuki.htm  意志のある方はぜひともご参加を            *  *  *  今回はお堅い話だけになってしまいました。田んぼの春作業も 今のところ順調。でも、毎年の事ながら、精神的にはほんとにキ ツイ。あと一ヶ月、何とかがんばって乗り切ろう。                       〜よーすけどん               http://www5.tok2.com/home/yo2/