NO.53 平成17年4月5日号 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 〃       ◇ 農 村 ノ ス ス メ ◇        〃 〃                〜電気農場の日常より 〃 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃  どーも、ご機嫌いかが?よーすけどんです。生まれも育ちも山 形県新庄市。生粋の農村生活者であるワタクシが、農家の日常、 悪戦苦闘の有機農業の実態、その他農村生活の真実をリアルにお 伝えしていきます。            *  *  *  四月に入り急に暖かくなってきました。でも田んぼはまだ、見渡 す限り雪野原。ま〜っ白です。    ※もくじ※ 【1】農村生活 新庄編・・・水ぬるんで生野菜 【2】電気農場のお仕事帳・・雪はあるけど 【3】有機な日々・・・・・・GM作物はどうだ? 【4】直売所のひとこと・・・小さく広げる 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【1】農村生活 新庄編・・・水ぬるんで生野菜  春!なのにまだ雪がいっぱい。  地のものはまだムリだけれども、食卓に青物が増えてきました。 いやあ、春だなあ、とつくづく感じるのは、キャベツが美味い。千 切りが。  わが家はなぜか季節にかかわらず、キャベツの千切り(大皿に大 盛りで)が食卓に上る率が高い。氷点下の冬の日に、ほどよく冷え ている生の山盛りキャベツをバリバリやるのは正直言ってカンベン してもらいたい。イヤ、食べさせていただけるだけでありがたいの でございますが・・・正直美味くはないのですよ。  寒い冬が過ぎれば春!どれほど待ったことか。室温もほどよく上 がってきて、生の春キャベツの美味いこと!バリバリバリバリ。ち ょっと幸せです。生きている実感。春だなあ。  この調子だと今年も食欲が落ちそうにない。雪が融けると山菜だ。 バァリバリ食いまくるぞ! 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【2】電気農場のお仕事帳・・雪はあるけど  思いもよらなかった大雪のせいで、今年はまだだいぶ雪が残って います。な〜んだか、さ〜っぱり労働意欲が湧いてこないのです。  思えば冬が来るのもだいぶ遅かったので、春もきっと遅れるのか なあ。でも田植え頃には季節も追いついてきて、普通の年以上に忙 しくなるだろうなあ。と、他人事のようにぼんやり考えていたりす るのですが、そろそろはじめないわけにはいかないなあと、重い腰 を上げて種籾の準備を始めました。  作業は例年通り。「塩水選」=比重の高い塩水に種籾を漬けて、 浮いてきた籾を取り除く。続いて「温湯消毒」=種籾に付いた病原 菌を60℃のお湯に浸けて殺菌する。  昨年までは塩水選をして、一週間ほど籾を乾燥させてから温湯消 毒を行っていたのですが、今年は一貫作業としました。籾が水を吸 った状態でお湯に浸けると芽が死んでしまうということで、塩水選 をしてから一時間以内に温湯処理を終了しなければなりません。  色々段取りを考えて、あっちやって、こっちやってとなかなかや やこしい作業でした。  その後、種まきまで籾を水に浸けておきます。あとはまた雪消し にはげむ毎日。 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【3】有機な日々・・・・・・GM作物はどうだ?  農協稲作部会の総会で、東京の米販売業者の社長さんの講演を聴 きました。  社長のいうことには「これからの米販売は、どれくらい安く供給 できるか、これに尽きる」とのことでした。その他何から何まで景 気の悪い話ばっかり。  「カルシウム強化米とか、付加価値を付けた米はどうだ?」とい った質問に対しては、「契約栽培とかキッチリ販売先が確保されて いなければ、リスクが高くて無理だろう」といった話でした。  もっともこれは市場ニーズの話でそのまんま産直に当てはまる話 ではないのですが、この話を聞いてちょっと別のことを考えました。  それは遺伝子組み換え作物の話。  除草剤をかけても枯れない、害虫が食べると死んでしまう、とい ったい生産者メリットがあるといわれる第一世代の組み換え作物。  農薬や労働が少なくなる分コスト的に生産者にメリットがあると いわれているんですが、結局コストが下がった分は消費者価格が下 がることで相殺され、農家にメリットは残らないんじゃないの?  アレルギー耐性や、栄養分強化など消費者メリットがあるといわ れる第二世代の組み換え作物。  これもキッチリ契約販売とか出来なければならないとなると…。 消費者感情を考えれば大手流通業者や外食業界が契約するとは思え ない。全国チェーンの医療法人とかか?とても全国の農家が作れる ような需要はのぞめない。  安全性とかだけじゃなく、現実的に考えて農家には作るメリット がなんにもないんじゃなかろうか? 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【4】直売所のひとこと・・・小さく広げる  雑穀や豆類のご注文量に対して、家で作れる分だけではとても間 に合わない。そこで今年は近くで有機農業をやっている仲間たちに 助けてもらおうと思っています。  とりあえずは黒豆(青豆も?)と雑穀を作ってもらう予定です。  土地を借りて、規模を大きくして、人を頼んで、といったやり方 も出来るのですが、それはちょっと違うような。その、市場原理と いうか、そういったものに流されていってしまうような気がして。 大きくせずに広げていきたいと思っているわけで、今年はこういっ た形でやってみようと思っています。  とりあえずは二名。熱心に有機農業に取り組んでいる、信頼でき る仲間です。  こういったやり方がいいのか悪いのかまだ分かりませんが、こん な農業の形が広がっていったら、結構面白いんじゃないかなあ。            *  *  *  「偽りの種子/ジェフリー・M・スミス著」(家の光協会)  遺伝子組み換え作物に関する本です。この本がかなり面白かった。 というか怖ろしかった。かなり衝撃的。  「科学的に安全が証明されている」というけれども、食品として 承認される過程でのデータ隠蔽、実験の歪曲・ねつ造されている実 態。科学者たちへの政治的圧力。メディアによる情報戦略、という か情報封鎖。沈黙する大手メディア。実例を積み重ねて、アメリカ での遺伝子組み換え作物をめぐる実情を紹介している。  遺伝子組み換え作物についてはいろんな面での問題が指摘されて いるけれども、本書は内容を「食品としての安全性」に限定して書 かれているので、問題点が分かりやすいです。  アメリカ政府をも動かすことの出来る力を持つ巨大企業による世 界戦略。いやはや恐ろしい。アメリカ政府もコンピューター産業に 代わる新しい産業としてバイオ産業を推進している。彼らにとって はビジネスでしかないのね。  メディアを抑えられたら、対抗する術はあるのだろうか。ああオ ソロシイ。  食べ物に興味のある人は必読。                       〜よーすけどん               http://www5.tok2.com/home/yo2/ このメルマガの登録・解除はこちらから。 http://www5.tok2.com/home/yo2/mailm.htm