NO.57 平成17年8月9日号 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 〃       ◇ 農 村 ノ ス ス メ ◇        〃 〃                〜電気農場の日常より 〃 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃  どーも、ご機嫌いかが?よーすけどんです。生まれも育ちも山 形県新庄市。生粋の農村生活者であるワタクシが、農家の日常、 悪戦苦闘の有機農業の実態、その他農村生活の真実をリアルにお 伝えしていきます。            *  *  *  8月最初の週はもんのすごく暑かった。風もなく、夜になっても 暑いまま。それでもおととい、昨日と雨が降ったらずいぶん涼しく なりました。もちろん日中は暑いけれども、朝晩だいぶ過ごしやす くなりました。残暑は厳しいものの、新庄の秋は早いのです。    ※もくじ※ 【1】農村生活 新庄編・・・新庄の食文化 【2】電気農場のお仕事帳・・夏のお仕事 【3】有機な日々・・・・・・有機認証の現地確認 【4】直売所のひとこと・・・新米は 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【1】農村生活 新庄編・・・新庄の食文化  先日、有機農業をやっている農家数人で一杯やりました。  地元に直接販売している農家曰く「新庄の地産地消はダメになる」。  その人によると、「新庄には食文化と呼べるものがない」からだ そうだ。まさしく、ナルホドと頷いてしまった。  新庄・最上にも伝統的な料理とかもあります。でもその中身をみ ると、ほとんどよその土地で穫れたものばかり。  外食産業も育たない。新しい店が出来ては潰れを繰り返すだけ。  山菜や川魚など、自然の恵みは豊富なものの、農業に関しては米 単作地帯。どうも自分が食べるということに対して、感心がないと いうか、思い入れがないというか。  これじゃあ、作る方にもこだわりってのが育ちません。その先に 「食べる」ってのが見えてないんですから。  有機農業ってのはまず「食べる」ってのが先にあるもんだと思い ます。この地域で有機農業を広めて行くにはまず食文化ってえのを 育てて行かなきゃならないのかな? 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【2】電気農場のお仕事帳・・夏のお仕事  今年の稲は今のところ順調です。あきたこまち、ササニシキ、さ わのはな、どの品種も穂を出しました。イネミズゾウムシの被害も、 まだまだ完璧に押さえ込むことは出来ませんが、去年に較べるとだ いぶ少ないです。  周辺の慣行栽培はだいぶイモチ病が来ているようですが、今のと ころ家のはだいじょうぶです。  この先、農家に出来ることはあんまり無くて、それこそお天道様 に祈るだけ。  畑もだいたい順調です。豆類も花を咲かせはじめました。雑穀畑 はなかなか除草が大変でだいぶ雑草が茂ってますが、なあに、多少 雑草なんかが生えていた方が健全です。(言い訳か?)  ただ、アマランサスはいよいよダメみたいです。今年は種を採る 分くらいしか収穫がないかも。  アンデスのやせた土地に出来る作物なんで、どこに植えてもだい じょうぶだろうと思っていたので、けっこう土を選ぶのかな?? こんなになるとは思ってもみなかった。 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【3】有機な日々・・・・・・有機認証の現地確認  7月の28日に毎年恒例、有機JAS認定のための現地確認調査があ りました。  ちゃんと申請通りの管理が行われているか、認証機関の検査員が 書類や現場の確認に来るわけです。  今回はそれに加えて、農水省の出先機関の役人がオマケで付いて きました。  これは認証機関の検査員が、ちゃんと規定に沿って現地調査をし ているかチェックするために来たのです。つまり、検査員を検査す るために来たのですな。  そんなこともあって、例年以上に細かい。  私が認証を受けている機関の検査員は実際に有機農業をやってい る人が多いので、話が通りやすい。  ところが農水省とはいえ、お役人は全くの素人。初歩の初歩から 事細かにあれこれ説明して差し上げなきゃならない。  もっともそれは私じゃなくて、検査員の役目で、あまりに細かく 突っ込まれるんで、翌日また家に再確認にやってきたほど。  実際有機JAS法ってのは有機農業の普及とは関係なくて、有機農産 物を規制するための法律なので、有機農業をやっていこうとする人 にはよけいな負担が増えるばかり。使用する資材の組成とか、内容 とか、安全性とか、すべて農家が自分で調べなけばならないことに なっているし、作成しなければならない書類の量たるや。  「有機農産物」を名乗るには必ず「有機JASシール」を添付し て、毎日の農作物の入荷、出荷管理、シール数の管理、などなど、 作る段階に加えてさらに負担が増えます。なので、大豆や雑穀は有 機の圃場で栽培していますが、「有機農作物」としては出荷してい ません。  市場から偽物の有機を駆逐した功績はあるものの、この法律が有 機農業の普及を阻害しているのは間違いのない事実。実際この法律 があるために、有機認証を受けない有機農家は家の周辺にもかなり います。  また、都道府県など、行政がそれぞれ独自に「無農薬」認証をす るなんてのもありますが、だいたいそういうのは農協とか大きな出 荷業者による大量流通向けの規格なので、個人の農家で認証を受け るには無理があります。  どちらも基本的に市場流通のための規格なので、家みたいな個別 宅配を主としている農家は負担が大きいだけでメリットはないので すが、なぜ認証を受けているかというと、コネもなんにもなく、全 くの一人ではじめたので、第三者による客観的な証明が欲しいと思 ったからです。  米も圃場の認証だけ受けて、「有機農産物」を名乗らずに販売す るという手もあるので、どういう形がベストなのか。まあ、ボチボ チ考えていきましょう。  それにしても負担が大きい。とくにデスクワークの負担が。農家 ってのは書類を書くのが仕事じゃないってーの。とくに有機農家は 耕してなんぼなのです。  こうして有機農産物は一粒も慣行栽培ものもが混じらないように 厳しく管理されているのに、遺伝子組み換え作物は5%混じってい ても「不使用」と表示できるのはナゼだ?? 〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃 【4】直売所のひとこと・・・新米は  新米の販売開始時期は10月後半からの予定です。  大豆やその他の穀類は年末から2月頃にかけて順次販売していき ます。なにせ手作業で脱穀調整していますので、時間がかかるので す。  お米と大豆はご予約を受付していますのでよろしくです。            *  *  *  先日の「草取りツアー」に参加されたアキコ・フリッドさんの感 想です。 http://www.nurs.or.jp/~suiden/005_EvntAct/20050802.htm                       〜よーすけどん               http://www5.tok2.com/home/yo2/ このメルマガの登録・解除はこちらから。 http://www5.tok2.com/home/yo2/mailm.htm