私はとても消極的な人間です。あれは出来ない、これが出来ない、自分にはムリ、なんてもがいているうちに、気がつくと今こんな仕事をやっています。
自分の主張を積極的にアピールできなければ負け組になってしまう今の世の中で、よくこんな人間がこんな仕事を続けているなあと、われながら感心します。
それはやっぱり、あくまで自分のペースを崩さずにやってきた結果だと思います。
かなりノロノロとした歩みではあるのだけれど、自分にはこれ以外無かったのだと、今あらためて思います。
昨年は目が回るほどいろんな事があった一年だったけれども、その中で一番感じたのがコミュニケーションの必要性、人と人の繋がりの大切さです。
昨年末、東京でのイベントで感じたんですが、もしかしたら農業とか農家に接することなく一生を終える人がいるんじゃないかと、けっこう身近に。
確かにそんな経験をしなくても生きてはいけます。けれど、自分の命が何でできているか、それがどうやってできるのか、命が循環しているんだということを、それに携わっている人間としてはぜひ知っておいてもらいたい。
もっとも、しゃべるのが苦手、筆無精、人前に出るのが苦痛、といった三重苦の消極的人間としては、そのコミュニケーションを取るといった部分が一番不得手なわけで・・・。
それでもたった「1」であっても「0」とはまったく意味が違ってくるんだといった小さな望みにすがって、不器用なコミュニケーションを続けていこうと思います。
もう一つこれからの課題として、大量生産、大量流通とは違った農業スタイルを「一部の変わった」農業としてではなく、普通の農業の形として形成することはできないかと考えています。いろんな農家が取り組むことのできるごく当たり前の形として。
こうなると話が大きくなりすぎて、自分一人でどうこうできる話ではないし、数年でできることでないでしょうが、まあ、のんびりと、何年もかけて、ゆっくりとやっていけば、ひょっとして出来るんじゃないかと。今までそうやって出来てきたんだから。
結局今まで通り、自分のペースでやっていこうって事です。皆様、どうぞのんびりと長い目でお付き合い下さい。
(2005年1月)
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