*平成21年のごあいさつ*

 昨年は食に関する話題に事欠かない一年でした。
 「毒ギョーザ」には本当にビックリ、すったもんだのあげく結局真相はうやむやになってどっかにいってしまいました。
 他にも本来食用に使用してはいけない事故米の食品転用をはじめとする偽装、不正転用のオンパレード。生産コストの急騰による食品価格の高騰など、現実とは思えない怖ろしい状況になってしまいました。
 ラベルに「国産」と書いてあるから安全とか、売り場に生産者の顔写真が張ってあるから安心といったレベルで安心していては、もはや不十分なのかもしれません。かといって、あまり過敏になりすぎても生活がギスギスしてしまう。その辺のバランスをとるのがなんとも難しい状況です。
 いったい何が安全かといった状況で何より必要とされるのは「自分の判断」ではないでしょうか。
 例えば、常温で2週間腐らないオニギリがあります。保存料にまみれたキケンな食品と見る人もいるでしょう。でも見方を変えればどんなに暑い日に弁当として持たせても、絶対食あたりしない安全な食品と見ることも出来ます。それと同じ感覚で無添加のオニギリを扱ったらとてもキケンなことになりかねません。見方次第、扱い方次第で何が危険か変わってきます。
 安全な食品を求めるということは、自分自身で判断して、自分自身で責任をとるという気持ちが必要です。
 無農薬・無添加のものだから虫が付きやすい、日持ちしないといったこともあり得るのです。安全な食品を選ぶということは、安全かどうかの判断を自分に任されるということだと認識して欲しいと思います。
 いつもは自分のことを書いているのですが、今年は消費者への要望を書いてみました。
 食べ物を作る側としては安全の判断のために必要な情報の公開と、意思の疎通に心がけたいと思います。

(2009年1月)

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