*令和4年のごあいさつ*

 有機農業に取り組み始めて25、6年になります。昨年はやっと目標だった全面積有機栽培にたどり着きました。
 田んぼはすべて有機JAS認証圃場となりました。畑はまだ一部しか認証を受けていませんが、すべて農薬・化学肥料を使用していません。
 スタートは慣行栽培の稲作専業農家だったのですが、有機農業を志し、毎年毎年失敗を繰り返し、試行錯誤を繰り返しながら稲作りを続けていくうち、あんなものを作ってみたい、こんなものも作ってみたいと興味はふくらみ、減反田で大豆を作り始め、雑穀を作り始め、様々な野菜を作り始めました。
 農業で収益を上げるなら、単一作物を大面積でやった方が効率はいいのだと思いますが、大量生産には向かない固定種や在来種の品種にこだわったり、自家採種や少量多品目生産にこだわったり、収益には繋がりにくい方向を目指しているので、なかなか安定収入というわけにはいきません。ここ数年で幼稚園の給食に有機の野菜を出荷したり、マルシェなどでの直売を始めたり、いろいろと取り組みを広げて、こっちの方向での経営安定を模索しています。
 今年は野菜畑も有機JASの認証を増やしていこうと思っています。

 有機農業を長く続けてきて最近思うのは、有機栽培の農地を増やすだけではなく、地元での有機食品の消費者を増やしていかなければダメだなって事です。そうでないと有機の農地も生産者も増えていかないなって感じています。
 昨年一昨年と地域で有機農業に取り組む仲間たちと、有機栽培技術の講習会を開いたり、オーガニック関連の映画の上映会をしたりしてきたのですが、そこで感じたのは私たちが有機に取り組み始めた頃と比べて、特に消費者の関心度が上がってきたいるなって事です。
 まだ数は少ないですが、地元消費者の有機への関心は確実に高まっていると感じます。
 自分の有機の農地を増やしていくとともに、そっちの方にも力を入れていきたいと思っています。

(2022年1月)

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