*食べ物を考えよう*

 冬の間、仕事の関係で一ヶ月半ほど昼は毎日外食でした。
 なんですなあ。いつも家にいて、家で穫れたものばっかり食っていると、むしょうにインスタントラーメンとか食いたくなる時があるんですが、ラーメンやら丼ものやら、3日も、4日も続くとうんざりしてしまいますね。もちろんけっして不味いわけではないんですが、味が濃いというか、しつこいというか、主張が強いというか、とにかく毎日はちょっと応えます。
 しかし不思議なもんで、これが3週間も4週間も続くと、もう慣れてしまいます。美味いと感じるわけではないんですが、くどさが気にならなくなってしまいます。
 こういう食事を続けていくと、だんだん味覚がおかしくなっていくんじゃないかと心配です。

 食べ物ってのは自分の肉になったり、骨になったり、毎日の活力になったりするものですから、味覚がおかしくなって、食べ物に対するちゃんとした判断が出来なくなったりしたら、これはとても怖いですねえ。
 とくに小さい子供の場合なんか、体作りの一番大事な時期にヘンなもの食って、それが骨格やら、脳みそやらになったりしたらと考えるとゾッとしますね。
 実際十代の若者が凶悪事件を起こしたりしているのを聞いたりすると、小さい時にヘンなものばっかり食わされてたんじゃねーかと疑ってしまいます。
 こういう事件は教育の問題とか社会的なこととかがからんでいて確かな原因を特定するってのはムリなことだと思いますが、食い物がまったく関係ないとは言えないんじゃないかって思います。

 とにかく世の中不景気で、安かろう、悪かろうってものに走りがちですが、ふだんの食い物だけはまともなものを食っていきたいって思いますね。
 だってそれが毎日生きていくための一番大事な大本ですもん。

(2001年4月)

至上の幸福
ラーメンはごちそうです

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