*天気の話*

 10月3日、長かった雨が明けました。長雨の前までは空気の中に夏の名残がほんの少し感じられたのですが、雨が明けると100%秋になっていました。秋晴れってやつです。
 農業をはじめて十数年、つくづく思うのは、農業って仕事は結局はお天とうさん次第だなってことです。
 とくに今年は変な天気ばっかりでした。
 春は暖かい日が多く稲の生育はよかったのですが、ついでに雑草もよく伸びました。六月は天気はよいものの、冷たい東風「やませ」が毎日のように吹き込み生育はおくれ気味。七月になると空梅雨で好天が続き、稲もの生育も持ち直しました。かと思うと八月、いきなり大雨、大雨。日本中が水浸し。九月、かろうじて平年作か、と思っていたら収穫直前の台風でたくさんの稲が倒れたり、なびいたりしてしまいました。
 いったいどーなっているの?
 農業って仕事は生き物相手だから、お天とうさんの機嫌にあわせて、あーだこーだ考えながら仕事を進めて行くわけです。稲ののびが悪いからもうちょっと照ってくれったって、お天とうさん、聞いちゃあくれません。で、仕方なくこっちで合わせるわけです。それがバッチリ当たればこんなおもしろいことはありません。バッチリ当たったと思っていたら収穫直前に台風でパーなんて事もあります。こりゃーもー笑うしかありません。 まあ笑うに笑えないような時もありますけどねえ。
 まったくお天とうさん、いったい何を考えているのやら。
 もっともそれが分かってしまったら、おもしろくも何ともなくなってしまう。
 仕事が大変な上におもしろくもないんじゃあ、やっててもしょうがないですからねえ。
 なんだかんだ言っても結局はお天とうさん次第、ナルヨウニシカナラナイって事。

(1998年10月)

秋の夕暮れ
秋の夕暮れ

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